君の隣 1

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「っ…いきなり何の冗だ「冗談、じゃないよ」」 フワリと、でもはっきりとした否定。 今絶対、顔が強張ってる。 (反応、しなきゃ…) 止まりかけてた思考を無理矢理動かす。 「な‥ら、どういう…意味?」 意味…んなのわかってる。 こんな質問に意味すらないことも、わかってる。 でも (自分で認めたく、ない) 動かない頭で考えた最後の悪あがき。 そう、きっと最後の…。 「意味?そのまんまだよ。侠ちゃん」 変わらないトーンで、淡々と喋る奏。 「‥‥‥。」 反論したいけど…。 我が儘、なんて言いたくない。 俯き気味だった顔を少し上げて奏を見た。 背負ってる夕陽の逆光で表情が見えない。 奏は今、笑ってる? それとも無表情? まさか泣いてる‥‥‥ってことはないか。 少なくとも俺は、酷い顔をしてるだろうな。 短くも重い沈黙を破ったのは奏。 .
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