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どうしよう、どうしよう…ほんとに、この手を重ねていいのかしら?
キッカケはなんだったのか、もうよく覚えてない。ただ、気がついたらずっと目で追ってる。
『―、俺の妹だ。』
紹介されて顔を見た瞬間?ううん、もっと前。…学校で見かけた。いつ?
『はじめまして。1年なんだって?よろしくね。』
『…ヨロシクオネガイシマス』
やっと聞こえるかどうかな小さな声しかでなくて、恥ずかしかった。
でも、知ってた、彼の事。
そうだ。入学してすぐだった。迷子になった生徒を連れていた。
大きな学校だから、教室移動は慣れるまで必ずっていうくらい迷子が出る。そう兄に聞いていた。
泣き出しそうな男の子の手をしっかりと握って歩いていた。
その手が、とてもあったかそうで、男の子が羨ましかった。
きっと、あの時、恋をしたんだ。あったかい大きな手で私もどこかに連れていって欲しいと思った。
学校の一番のイベントに、ダンスパーティーがある。ちゃんと練習もする。
ここでカップルになる人達もけっこういるから、みんな気合い十分。
それに。事前にパートナーの申し込みは出来なくて。当日、一番最初に申し込む相手が〈本命〉とも言われてる。
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