第十二章

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結局、僕は一番大切で、愛しているはずの郁恵を傷つけてしまうんだ。 キツイ事を言った僕も、言われた郁恵も、同じように傷ついていた。 どうして愛を確かめ合った後でこうなってしまうんだ!! 今度は自分が許せなくなる。 「やっぱり僕らは上手くいくはずないんだよ…」 これ以上郁恵を傷つけたくなかった。 「そんな事言わないで!私、先生の言う通りにするわ!だから先生の傍に居させて!」 「ダメだ!」 「嫌よ!どうしてこうなっちゃうの?!私達、愛し合っているんだよ!」 もう無理だった。 何を話しても、自分が郁恵を傷つけているように感じて…そしてその感情がより一層彼女を傷つけている事に気付けなかった。 「帰ってくれないか… 今晩は泊まってもいいから…」 「本気…なの?先生!こっち向いて!」 郁恵は僕の頬に手を添えて、自ら唇を合わせようとした。 僕は… その手を振り払ってしまったんだ。 .
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