第十三章

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そして兄に促され、私は兄と共に大阪に戻った。 大阪では兄と父が対面を果たし、過去の蟠りを水に流す事ができた。 父の病状は思わしくなく、結局亡くなるまでに兄と会ったのはその一度きりだったが、父は満足そうだった。 父だって兄が憎くて暴力をふるった訳ではない。母の連れ子である兄をきっちりと躾(しつけ)たいと思うあまり、やり過ぎただけだったのだ。 亡くなってしまったのは悲しいが、兄と和解できた事を何より喜んでいた父の姿を見られて、私も気持ちもスーッとつっかい棒が取れたような清々しい感じがしていた。 しかし、櫻井先生と別れたあの日から二ヶ月が経った頃、私は体調を崩し倒れてしまった。 食べ物が喉を通らない事もしばしばあり、不摂生が祟ったんだろう。 それだけ先生との別れが私を苦しめていたのだ。 .
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