第十三章

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倒れた私を心配して、母が休みをもらって大阪まで来てくれた。 症状は貧血と吐き気。 しかし、いくら調べても原因がわからなかった。 何か悪い病気に罹ってしまったのかと心配したが、予想外の展開が私を待ち受けていた。 ”妊娠” もちろんお腹の子の父親は櫻井先生だ。 埼玉の実家に帰った時、母は私が落ち込んでいても何にも聞かなかった。 しかしこの時ばかりは烈火の如く怒り、父親は誰だと問いただしてきた。 私が何も話さないと、兄に連絡を取り、兄を問い詰めた。 兄が先生の事を話したのかは定かではないが、母は私にこう告げた。 「まさかとは思うけど、産むつもりじゃないわよね?止めなさいよ!誠意のない人の子供産んだって不幸になるだけよ!」 母のまさかの発言に、自分自身も迷っていたにもかかわらず、激しくショックを受けた。 .
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