第十三章

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そして、気付いたら母に宣言していた。 「私…産みたい!お腹で生きてるのに、その命の芽を摘み取るなんて出来ない!」 そう自分で発した事で、覚悟が出来た。 産む!絶対産んで一人で育てる! 母はしつこく反対していたが、私の熱意にほだされる形で最終的には協力すると言ってくれた。 兄も山形から駆け付けてくれたが、櫻井先生の事をかなり怒っていた。 私は先生に言わないように釘を刺したが、兄は納得がいかないようだった。 「なんでやねん!女を孕(はら)ませたら責任取るの当たり前やろ!カズさんも昔、後輩らにそう言うとった!責任取らせたらええんや!」 「やめてよ!責任って何⁉嫌々責任取ってもらっても私は幸せになんかならへん!これ以上嫌われたくないねん!お兄ちゃん、頼むから黙ってて、な!」 そう言って兄を無理矢理納得させ、約束を取り付けたのだ。 .
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