第十三章

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しかし、それからの生活は正直大変だった。二十歳で未婚の母になった私は、成人式すら参加できず育児に追われた。 母や兄に頼りっきりではいけないと思い、乳飲み子を抱えて夜のバーでピアノ弾きのアルバイトを始めたのだが…夜泣きが酷く、結局預けなければならなくなった。 ただ母子家庭だから保育科は公立だと無料、私立でもかなりの助成金が出たから、それだけは救いだった。 けれど、幼い我が子を預けなければならないのは辛かった。 泣き叫ぶ我が子を無理矢理保育士に渡し、耳を塞いで逃げるように去る毎日。 こんな生活がいつまで続くんだろうと、先の見えない将来への不安でいっぱいだった。 そんな時、一筋の光が私達親子に降り注いだのだ。 .
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