786人が本棚に入れています
本棚に追加
私、加藤郁恵は6歳まで大阪の片田舎で育った。
市ではなく、郡。
周りにはたんぼと小さな山と、これまた小さな商店がぽつぽつとあり、そして…
私が通う事ができなかった児童数の少ない小学校がある。
それらが私や近所の子供達の遊び場だった。
私には7歳上の兄がいる。両親が共働きだった為、私の面倒は兄が見てくれていた。
そんな兄の事が大好きで、私はずっと兄について回っていた。
でも兄の方はどうだったんだろう…
同年代の友達と遊ぶ時もいつも私が一緒だし、何かあると怒られるのは私じゃなく、いつも兄。正直疎ましく思っていたんじゃないだろうか。
今となっては兄の気持ちを確認する術もないが、
もし兄が今もどこかで元気に暮らしていて、もしまた会えるなら…
聞いてみたいと思っている。
.
最初のコメントを投稿しよう!