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本当、うるさい。
目の前にいる人間を見て、俺はそう思った。
「もう本当に!本当に美人なんだって!あー、いっつもなにしてんだろ。トイレとか行くのかな?行くわけないよなー、だって美人さんだもんな!」
「…とりあえず黙ってろ、夢見てんじゃねえよ」
つくづく、勿体ない奴だ。顔は悪くないのに、頭の中が駄目すぎる。俺は溜息を吐いた。
「りゅう、溜息吐いちゃダメなんだよ?幸せ、逃げちゃうんだよ?」
「それもそうだな、ありがとう。ゆうの言うとおり…」
「そうそう、溜息はだめなんだぞ!隆二イケメンだから、幸せじゃなくなる分には良いんだけどな!」
「死ね。お前は早く俺の目の前から消えろ。人の発言遮っといて言うことがそれとか本当粕だな。消えろ。」
「ちょ、ちょっとした冗談じゃんか!消えろって二回も言わなくて良くない?良くない!?」
とりあえず、こいつの発言は無視だ。殴らなかっただけありがたいと思え馬鹿宏規。
「ねえ知ってますか隆二さん。全部出てますよ、声に出してますよー…」
「あーはいはいわかったわかった。悪かったな馬鹿宏規。」
「心が籠もってないんだよお前の謝罪はよ!」
…対応するのが正直めんどうになった俺は、机に伏せて寝ることにした。
「りゅーうーじー!聞いてんのかー!」
………うるせえよ、馬鹿。
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