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「誰かに、会いに来てたの?」
「や、違…そういうんじゃ、ないんですけど、」
「じゃ、迷ってたの?」
「それも…違うってか…」
では、一体何故ここに来ていたと言うのだろう。誰かに会いに来たわけでもなく、迷っていたわけでもなく。何かしらの目的があったわけだ。…よく考えれば、俺には全く関係のないことじゃないか。何で、こんなことを聞いているのだろう。
「ま、いいや。昨日のことは気にしなくてもいいから。じゃ…」
「あ、ま、待ってください!」
関係がない。そう思った瞬間に、今この金髪と一緒につったっている意味もなくなったわけで、俺は教室へと戻ろうとした。これは、別に金髪といるのが嫌だからとか、そういうわけじゃない。ただ、寒かったら。それだけだ。
金髪だって俺と同じように寒いだろうと思っての発言だったというのに…なぜか、引き止められてしまった。まだ用事があると言うのか。
「…何?」
「先輩…俺のこと、覚えてないんすよね?」
「…昨日も言ったけど、俺、あんまり部活出てないし…後輩との関わりとか、作ってなかったから。」
「…知ってます、」
「ごめん、じゃ、俺…」
「先輩、」
なんだ、まだ何かあると言うのかこの金髪は。俺は本当に金髪のことを知らないし、知ってますって、ならそれで良いじゃないか。何を伝えたいんだ、俺に。段々、イライラしてきた。
「俺、寒いんだけど、」
「近藤先輩、」
「…だから、寒いから戻らせてって言って」
「俺と…付き合ってください!!!」
「…んだ、ろ……」
「……は?」
今、なんて言ったんだこの金髪。
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