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汽車の中で少しの時間を過ごすと、すぐに目的地に着いた。
汽車から降りて数分歩き、街の面影が見えてきた。
「ここがウィンデーネ…。こんな殺風景な…?」
報告で聞いていた街の様子と全く違うので目を疑った。
木々は朽ち果て、川は愚か水たまりすらない。
「酷い…何でこんなことに…」
アレンは静かに呟く。
「…急ごう」
2人は足を速めた。
延々走り続けて、それでもアクマの姿は見当たらない。
でも、殺気は絶えない。
絶対近くにいるはずなのに、いない。
人間も1人もいない。
「狩りつくして移動した…のかな」
「でも殺気が絶えません」
静まり返った街でただ立ち尽くす。
その静寂に2人まで飲み込まれてしまいそうなほど。
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