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周囲のアクマ達は純白の光に包まれ、ひとたまりもなく消えた。
「…わざわざ集まってくれて…ありがと」
アクマの残骸に憐れむように笑い、残った数匹のアクマを破壊していく。
レベル1のうえ少数なので、特に時間も掛けずに破壊した。
全てのアクマを破壊し終わり、さっきの広場から離れてしまっていることに気がついた。
急ぎ足でアレンのもとへ向かう。
広場が見えはじめ、アレンの姿を確認した途端に目の前に黒い何かが現れた。
あまりに急に出てきたので、思いきりぶつかり、反動で少しバランスを崩す。
何かと思い、すぐに顔を上げると、さっきの執事が目の前にいた。
「…駄目ですよ…」
さっきまでのふざけた感じはなく、妙に空気が重くなったのを感じた。
危険を感じ、ゲラルドから離れようとしたが、その時には既に腕を掴まれていた。
「…ッ」
「きちんと前を向いて歩かなくては…お嬢様にもいつも言っているのですがなかなか治らなくてね…」
ゲラルドはライラの腕を強く掴んだまま世間話のように話してくる。
だが、その声はやはり重い。
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