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僕、結ヶ崎 悠(高校二年生の17歳である)は至って普通の人間だと自負している。
別段顔がいいわけでもなく、スポーツができるわけでもない。これといって特技や特徴のない――言うなればつまらない人間だ。むしろコンプレックスだらけ。
人間はマイナス面とプラス面が釣り合うようにできているとよく言われるけれど、僕はそんなものは都市伝説なのだと思っているし、そして僕は都市伝説や幽霊の類は信じないと心に固く誓っている。
他人と違う部分があるとすれば……そうだな、頭があまり良くないことぐらいだろうか。自虐乙とか言うな。
テストで平均点を越えるのは現代文と歴史と保健体育だけであるという、なんともまぁさもしい。保健体育が平均越えであるということには触れないで頂きたい。
他は平均どころか赤点ラインすら越えていない。もちろん総合点はめちゃくちゃ低い。平均越えをする3教科を補って余りある真っ赤な答案用紙である。
学年順位表では僕の名前は常に下から数えた方が早い。両手両足の指があれば足りるのではないだろうか?
愚かにも僕は私立高校に通っていた。その方が色々と便利だと思ったからだ。
残念ながら今となっては公立高校に通っていた方が楽だったろうに、と思うこともしばしば。
周りは皆、頭がいい連中ばかりで、全く肩身の狭いとはこのことだ。
まぁそんなことはどうでもいい。問題は僕が普通の人間であると自負していること。
クラスじゃ頭が悪いこと以外は特に目立ってないし、友達は5に……8――10人はいる。
サバはよんでいる。二回会話したらみんな友達だ。主にプリントが回ってきたときとかに会話したから。
そうなるとそのうち世界中の人間全員が僕の友達になりそうだな。
閑話休題。
僕は一般的にして決定的な1つのとある“異変”を除いて、至って普通である。
先述の通り、他の人たちよりもアビリティは少々――だいぶ低いが、それでも母親から産まれ、小学校、中学校、高等学校へと進学し、一般的な教育を受けてきた――ごく一般的な高校生である。
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