プロローグ

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 目を開けると、そこにはいつもとは違う、白い天井があった。  ここは……?  あたしはゆっくりとカラダを起こした。なんだか、カラダが全体的に痛い。  自分が横になっていたベッドはパイプ式の物で、枕も布団も真っ白。そして、この無機質なようで、機械のあふれた部屋。こんな部屋をあたしは見たことがある。直に、じゃなくって、テレビで、だけど。  そう思ってたら、ドアの外が急に騒がしくなった。近づく足音。そして、大きくなってくる話し声。あぁ、この声はわかる。 「……娘さんには、まだお会いできませんから……」 「望実!」  ノックもなく、扉が開いた。ヒトの部屋に入る時には「ノック!」っていつも強く言ってるのに。  そう、部屋の外から現れたのは、お母さん。そして、オロオロしている若い女性は看護師の制服を着ているから、そうなんだろう。こんな所でコスプレなんてないだろうから。  ここは病室だ。横にある点滴もなんだかピッピッ言ってる機械もあたしが着ている浴衣(寝巻き?)も看護師みたいな女性も。  全部、ここが病室だってハナシだ。  そう自分の中で結論づいたら、なんだか眠たくなって、また寝た。
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