それから

2/3
前へ
/27ページ
次へ
多分あいつはもう気付いてる… でも、何でかは分かってないだろう…。 それで良いんだ、 そのまま俺にお前と言う存在を忘れさせてくれ… そして、俺に刻まれたお前との【思い出】も一緒に―――…。 …次は生物か。 時間割を確認して千尋は生物室に向かう為、教材を持って歩いて行った。 「わっ!!!」 「っ!!??」 生物室に向かう途中の角を曲がろうとした時に、 不意に掛けられた大きな声にビックリして驚かしてケラケラ言って笑っている張本人を見てまた目を丸くした… 京―――…。 「何驚いてんの? …ぷ、くく……。」 そう言ってまた笑い始めた。 「なっ!いつまでも笑ってんなよな!!」 そう言って頬を赤くして恥ずかしがる俺に、 未だ笑っている京を見て俺は不覚にも可愛いと思ってしまった… 「それよりさ! お前、最近俺の事避けてるだろ?」 そう言って話しをそらされて、 はっと我にかえった。 「…そうか?」 「そうだ!」 俺は間を空けて言ったのに、 あいつの返事は即答だった。 ま、当たり前だよな、 いつも一緒に居たのに急にお昼も食べなくなったり、 一緒に帰んなくなったり、 家の用事って言って遊ばなくなったり… 流石に分かるよな。 でも、この気持ちにはお前はまだ気づいてないんだろ?…
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加