それから

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「……。」 俺は黙った。 「…何も言えないのか? 俺にも??」 お前だからこそだ… そう心で言い返し、 俺はコクッと頭で返事をした。 「……そっかぁ…。」 少し困った顔で笑ったお前を見て、胸が痛んだ。 だけど、それで良い… もう何も聞かない方が、 俺がミスってお前にもらしかねないし… お前も俺も、 傷付かないですむから――――…。 「……」 二人の間に沈黙がはしる… キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴った。 「あ、やべっ!! 俺教室遠いからもう行かないとだけど…」 そう慌てて言う京。 「今日、お前ン家行ってもいい??」 「…へっ?……」 唐突過ぎて変な声が出た。 「いや、こないだ貸したゲームの攻略とか教えてやるよ!!」 …あぁ、そう言えば前俺が教えてくれって言ったな……。 そう心の中で呟いた 「じゃっ、今日あけとけよ!」 「……おぅ…。」 そう言って彼は掛けていった… あいつ、来るなんて… 俺、もつかな――――…。 そんな事を思いつつ、 呆然としていた顔が熱くなるのを片手で抑えた…。
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