奴隷の子供は奴隷

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荷物をまとめてまだ薄暗い夜明けの街に出る。 母さんは「あたしたちは売られたんだよ」って言ってた。私にも値段がついているなんてなんだか不思議な気分だ。 あたしはラルクと手をつないで母さんの横を歩く。父さんはどこかにいってしまった。 母さんは「父さんはお仕事を探しに行ったんだ」って聞いたけど仕事を探しに行ってもう八年だ。 どこまで探しに行ってるんだろう。 あの空の向こうがわには無限に大陸が広がっているにちがいない。 そして食べ物もいっぱいあるんだろうな。 そんなことを考えていたら果てしなく、どこかわからない向こうの大地に足をつけてみたくなった。
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