―男の娘1:春は色々な出会いがある―

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春には色々な出会いがある。 春―それは始まりの季節。 春―それは色々な意味で人生の分岐点。 春―それは花粉症には辛い季節。 花粉症の僕にはきつい季節だ。 「くしゅんっ!……ずずっ………今日から僕も高校生か~友達できると良いなー………」 鼻を啜ながら一人呟く。 僕の名前は八坂由宇(ヤサカユウ)16歳。 女の子っぽい顔立ちに155㎝位しか無い身長なのでよく、女の子に間違えられる。 いわゆる『男の娘』ってやつだ。 中学生の時は女の子みたいな顔のせいで男に告られたこともあった。 って、僕は誰に自己紹介してるんだろう…… そんなことを考えながら学校を目指し歩いていた。 そんなとき 「痛っ!…あぁっ、すいません!」 僕は誰かにぶつかった。 しかも、ぶつかった勢いで僕は尻餅をついた。 「あぁ、大丈夫だ。それより、お主こそ大丈夫か?立てるか?」 ぶつかった相手は「ほれ。」と言いながら手を差し出してきた。 もしかしたら、この時が人生の分岐点だったのじゃないかと思う。
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