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「…あ、ありがとうございます……………」
僕は差し延べられた手を握り立ち上がった。
ふにふにですべすべで気持ち良かった。
「怪我とかは無いかのう?」
「はい、大丈夫です………」
僕は名前も知らない相手をじっとみていた。
黒く長い髪に、スタイルの良い体、そして整った顔………僕の前には、とんでもない美人が立っていた。
「ん?どうしたのだ?」
「いえっ、何でもないですっ!」
いきなり声をかけられたので動揺してしまった。
「まあいい………おぉっと、もうこんな時間だ。ではまた会おう、少女よ!」
腕時計を見たと思ったらものすごい勢いで走って行った。
「僕………女の子じゃないですよ…………」
そんな声が空に虚しく響いた。
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