―男の娘1:春は色々な出会いがある―

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「…あ、ありがとうございます……………」 僕は差し延べられた手を握り立ち上がった。 ふにふにですべすべで気持ち良かった。 「怪我とかは無いかのう?」 「はい、大丈夫です………」 僕は名前も知らない相手をじっとみていた。 黒く長い髪に、スタイルの良い体、そして整った顔………僕の前には、とんでもない美人が立っていた。 「ん?どうしたのだ?」 「いえっ、何でもないですっ!」 いきなり声をかけられたので動揺してしまった。 「まあいい………おぉっと、もうこんな時間だ。ではまた会おう、少女よ!」 腕時計を見たと思ったらものすごい勢いで走って行った。 「僕………女の子じゃないですよ…………」 そんな声が空に虚しく響いた。
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