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秋風
風が冷たくなって、白い息を掌に吹き掛けた。
夏が過ぎ去って行った事に気が付いていなかったのかもしれない。
あの日に残してきてしまった想いが、日ごと切なさを増していくのに、見て見ぬふりをしていた。
この想いはどこへ向かう?この想いをどこへ飛ばせばいい?
この想いは、この胸の奥を締め付ける想いは、一体どこまで膨らんでしまうんだろう。
どうして私は、君を見つけてしまったんだろうか。
君じゃなくても良いんだろう?
なのに何故私は、君でなければいけないんだろう。
冷たい空気が、空を鮮明にしていたが、眩しい程の青空はそこにはもうない。
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