白魔学園

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「それまで大変だったみたいだね。今では色々な噂を聞くよ?ガーディアンの二代目社長はかなりの実力だ…って」 確かになーと呑気に笑うジルヴァ。 ジルヴァは母がいないので父が仕事に出ている時はモナの面倒を彼が良く見ていたが、父が居なくなり更に面倒事が多くなった。 妹の面倒ならまだいいが彼の父の遺言書にはジルヴァが『二代目社長をやるように』と書かれていた為死に物狂いで学業に励んだ。 幸な事に偉大な魔術師であるジルヴァの父の地位はそれなりに高く、屋敷も広くて何よりもメイドがいるので家の心配をする事は無かった。 「僕もガーディアンに居たかったんだけどね……でも居ると君のお父さんクレヴァさんを捜せないからね」 なら何故お前が教師をしている?とジルヴァは疑問に思ったが、アホそうなギールでも脳みそはあるので深くは考えなかった。 この学園で教師をしているのも理由があるだろう。第一そこまでジルヴァは父の心配していない。 少なくとも死んではいないはず。 魔球ではクレヴァ・リディルハートの名前を知らない人はいないかもしれない。 それほどまでにジルヴァの父は有名だ。 「学園長室に着いたよ」 ギールは学園長室と書かれたプレートが貼られている扉の前で止まった。 そしてギールは扉をノックする。 「ジル君を連れてきたよ」 相手は学園長だというのにかなり軽い感じに声をかける。 「どうぞー!」 学園長室から女性の声が聞こえ、その声を聞いたジルヴァ達はドアに手をかけ、中に入った。
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