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―――そして暫く待つと……
「ジル君入っていいよー」
教室の中からギールの声が聞こえた。
ジルヴァは気持ちを落ち着かせる。
高等部の三学年から選ばれた人材がこのクラスに集まっている。一年生もいれば二年生、三年生もいる。
仕事だというのに彼は新たな日常に淡い期待を乗せ、扉を開けた。
「「キャャ――――!!!」」
ジルヴァが入ると一部の生徒が奇声を上げた。
その他にも……
「こんな若い人が担任?」
「おぉー、美形だ」
「なぬっ!?隙がないじゃと?」
「え?何でジルが此処におるん?」
と色々な声が聞こえた。
何故彼女らは奇声を上げたのか分からないジルヴァは疑問を抱いていた。
そんな事を思いながらも彼は教壇の上にいるギールの隣に立ち、持っている教材を教卓に置く。
「はい!皆静かにね!」
ギールは「パンパンッ」っと手を二回叩き、生徒達を黙らせる。
流石教師。不覚にも教師の理想像としていいかも知れないとジルヴァは思ったが生憎その思いは裏切られる事となる。
「静かにしない人は僕が食べちゃうぞ!」
ギールはニヘッと下品な笑みを浮かべた。
いつもと変わらぬ変態なギールに呆れるしかないジルヴァだった。
そのギールの変態発言を聞いた生徒達は汚い物を見るような目でギールを見ている。
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