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――天は果てしなく青々と広がっている空の下に一人の少年が立っていた。
腰辺りまである襟足の髪を一本に縛り、揉み上げは鎖骨辺りまで伸びた白銀の髪。
その容姿は何処かの国の王子様にも見えるが、左目を覆っているシンプルな黒の眼帯が邪魔をして王子様には見えない。
それを抜けば王子様にも見えなくもないほどの美形。
少年の頭上には空飛ぶ船。通称、魔船が浮かび、その船はかなり大きく全長一キロメートルはある。
魔力を動力源として動く魔船は大勢の人々を乗せ、この世界を駆け回っている。
少年は右目の蒼い瞳で空飛ぶ魔船を見上げながら、船に乗ってる人々は何処に行くんだろうなーと一人想像を膨らませていた。
彼の名はジルヴァ・リディルハート。
歳は十七、大企業ではないが有名会社【ガーディアン】という会社の社長を務めている。
守護者とか守護神という意味なのだが、何を護りたいのかは先代社長である彼の父にしか分からない。
そして目の前にある屋敷、洋の豪邸とも言える建物がジルヴァの家であり職場だ。
彼は仕事の依頼を終え、久しぶりの我が家へ帰ってきている。
【ガーディアン】の仕事は簡単に言うとなんでも屋。今回は街を造る為に周辺の魔物を倒したり、魔法を使った仕事をしていた。
仕事の滞在期間は三ヶ月。やっと休めると思いながら門を開け、彼は屋敷の敷地内に入った。
「帰ったぞー」
ジルヴァは庭を通り、屋敷の玄関にある扉を開け中に入った。
「「「お帰りなさいませ、ジルヴァ様」」」
中に入ると、左右綺麗に整列した十人ほどのメイド達が声を揃えお出迎え。
「ただいま」
ジルヴァは久しぶりの帰還に安心感を感じながらメイド達に挨拶をする。
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