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「ならいいけど」
その言葉を聞き、モナは安心した表情を浮かべる。
「愛されてますねー。ジルさんはかなりの美形ですから立ってるだけで女性は寄ってきますし、妹のモナちゃんが心配するのも無理はないですね」
「モナはお兄ちゃんの事愛してるもん!」
キリアの言葉に反論するかのようにモナは恥じらいも無く言う。
モナはかなりジルヴァに懐いている。
彼の母はモナを産んですぐに病で倒れ他界。父は七年前から行方不明、多分死んではいないとジルヴァは思う。
「社長が帰ってくると賑やかになりますね」
マリアが仕事の書類を持ち、ジルヴァの左隣の椅子に座った。
「これが次の仕事か?」
彼の言葉を聞いたマリアは「はい」と言って頷いた。
「白魔学園から?」
白魔学園とはこの世界とは違う【地球】の日本にある魔法や武術を学ぶ学園。
内容は白魔学園の教師をしてほしいっていう用件だ。
学園は全寮制なのでジルヴァが仕事に行くとしばらくはこっちに帰れない事になる。
「白魔って言えば、女子学園じゃなかったか?」
自分の記憶が間違っていなければ、女子学園だったはずだ、と思うジルヴァ。
「……はい。白魔学園は中高一貫で女子生徒しかいません。黒魔学園はそれとは逆で男子生徒しかいませんよ」
ジルヴァの問いにマリアは寂しそうに答えた。
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