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「お兄ちゃん絶対ダメ!」
モナはジルヴァの右腕を掴み声を荒げる。
「何故だ?」
ジルヴァは不思議に思いながらも声を荒げたモナに理由を聞く。
「……お兄ちゃんが教師になったらしばらく会えないもん。しかも女子学園だし」
確かにジルヴァが仕事に行けば会えなくなる。
「仕事だから我慢してくれ。休暇があれば帰ってくるし、手紙も送るからな?」
ジルヴァの腕を掴んだまま俯くモナの頭を彼は荒々しく撫でた。
「……絶対だよ?」
くしゃくしゃと撫でられたままモナは顔を上げたが、まだ不満がありそうな表情をしていた。
「あぁ、一生会えなくなる訳じゃないからそんなに心配すんな」
ジルヴァの答えにモナは少しだけ笑顔を浮かべた。
「他の仕事は僕がやっておきますから心配せず、楽しんでくださいね」
キリアは楽しんでこいと言うが、何を楽しめば良いのかジルヴァには理解不能。
「マリアも仕事お願いするな?」
まだ寂しそうな表情をするマリアの頭をジルヴァはモナと同じように撫でる。
「は、はい!」
くしゃくしゃになった髪を気にせずマリアは顔を赤くさせ、言葉を噛むが笑顔になった。
「そういえば、真弓が白魔学園に行ってなかったか?」
篠宮 真弓(シノミヤ マユミ)
ジルヴァの幼なじみでガーディアンの一員。
真弓は仕事ではなく、学業の為に白魔学園高等部に入学したので此処にはいない。
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