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「えぇ、真弓ちゃんは高等部から入学したはずです」
ジルヴァの言葉にキリアが笑みを浮かべたまま答えた。
「なら向こうに行っても安心だな」
学園に行っても一人じゃ心細いし、とジルヴァは思っていた。
「出発は何時にされますか?」
先程まで顔を紅潮させていたマリアがジルヴァに尋ねる。
「明後日の朝に来てくれって書いてあるから、明日の夕方には出発するな」
着けば地球のホテルで一泊してから学園に向かうかー、と心の中で予定を立てるジルヴァ。
「では空港の方には私が手続きをしておきます」
「ありがとう」
ジルヴァはマリアに礼を言うと彼女は軽く一礼し部屋を出て行った。
「じゃぁ、寝るまでモナと遊ぼ!」
満面の笑顔でモナは立ち上がる。
今は昼を少し過ぎたぐらいで夜までの時間はまだまだある。
「まぁいいか。先に出発の準備をしてからだ」
しばらく会えなくなる妹の為に少しの休息を諦めるジルヴァ。
「わかった!終わったらモナの部屋に来てね!」
モナは嬉しそうに言うと駆け足で部屋を出て行った。
「ジルさんも大変ですね」
キリアの言う大変と言う意味は何となくわかったジルヴァ。
「そうでもねぇよ。大切な妹の為だからな」
ジルヴァは少し微笑んで席を立ち自室に向かって行くのだった。
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