白魔学園

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「此処が白魔学園か……しかも侵入者探知結界まで張ってやがる」 白魔学園の正門に着いたジルヴァは学園の広さに驚きの声を吐きだしていた。 その広さは学園というよりも学園都市。森もあれば湖もあり、おまけに橋まである。 仕事の書類と共に入っていた学園案内書にも、学園内の事が書かれていたが現物はもっと広かった。 そして学園内に入ると反応する結界が張ってあり、学園上層部に報告される。 ジルヴァは取り敢えず、校舎に向かう為に足を進めた。 長い道のりを歩いていると校舎の入り口に一人の男性が立っていた。 恐らく学園内に入ったと報告があり、ジルヴァが来るのを待っていたのだろう。 「おっ、久しぶりだね。ジル君」 呑気な声で言う男は意外にもジルヴァの知り合いだった。 「何故お前がいやがる?」 目の前にいる男は金髪に青い瞳。そして学園にいるには不格好な真っ白なスーツを身に纏っていた。 「僕はここの教師をしててね。迎えに来たと言う訳だよ」 この男はジルヴァの父の友人で昔、ガーディアンの一員だった。 名はギール・ショークス もうすぐ三十路だというのに若作りをしていてかなりの女好きで変態。 「お前がいるとは予想外だぜ」 予想外の事態にジルヴァは溜め息をついた。 「ジル君、何をそんなに嫌そうに溜め息をつくのかな?久しぶりにこの僕と再開したんだから抱擁の一つぐらいしたいだろ?さぁ!飛び込んでおいで!」 両手を大きく広げ、ジルヴァが飛び込んでくるのを待っているギール。
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