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騒然とする中、谷さんは僕に向かって駆け寄ってきた。
「久しぶりだね、山岡君」
「あ、はい。谷さんも総理就任おめでとうございます」
慌てて頭を下げようとした僕を、谷さん……総理が手で制す。
「その言葉はとてもありがたいが、今は時間がないんだ」
張り詰めた谷総理の顔を見て、僕も顔を引き締めて頷き返す。
「分かってます。あやめさんの事ですね」
僕の言葉に谷総理が驚く。
「ッ!? 知っていたのか?」
「いえ……ただ、ここからでもあやめさんの気が乱れたのを感じましたから」
何でもない事の様にそう言ってから、僕はヘリコプターに向かって歩き出した。
「行きましょう、あやめさんを止める為に!」
※※※
「小銃は狙って撃つな! そんな事で当たる存在じゃない! 点ではなく面で迎え撃て! 弾幕を張って一秒でも時間を稼げッ!!」
「駄目です! 如月あやめから発せられる強力な気の壁に阻まれ、ダメージを与えられません!」
「在日米軍に応援を要請ッ!! 全力で構わないと伝えろ!!」
夏目は部下に指示を出しながら、別の部下に視線を向けた。
「如月あやめの活動限界時間の算出はまだかッ!?」
「もう少し……出ました! カルアミルクを半口……約30mlを口にしたとの情報を元に出した如月あやめの活動限界時間は……約45分! 確率は……48.56%」
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