第三話 キスミーテンダー

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騒然とする中、谷さんは僕に向かって駆け寄ってきた。 「久しぶりだね、山岡君」 「あ、はい。谷さんも総理就任おめでとうございます」 慌てて頭を下げようとした僕を、谷さん……総理が手で制す。 「その言葉はとてもありがたいが、今は時間がないんだ」 張り詰めた谷総理の顔を見て、僕も顔を引き締めて頷き返す。 「分かってます。あやめさんの事ですね」 僕の言葉に谷総理が驚く。 「ッ!? 知っていたのか?」 「いえ……ただ、ここからでもあやめさんの気が乱れたのを感じましたから」 何でもない事の様にそう言ってから、僕はヘリコプターに向かって歩き出した。 「行きましょう、あやめさんを止める為に!」 ※※※ 「小銃は狙って撃つな! そんな事で当たる存在じゃない! 点ではなく面で迎え撃て! 弾幕を張って一秒でも時間を稼げッ!!」 「駄目です! 如月あやめから発せられる強力な気の壁に阻まれ、ダメージを与えられません!」 「在日米軍に応援を要請ッ!! 全力で構わないと伝えろ!!」 夏目は部下に指示を出しながら、別の部下に視線を向けた。 「如月あやめの活動限界時間の算出はまだかッ!?」 「もう少し……出ました! カルアミルクを半口……約30mlを口にしたとの情報を元に出した如月あやめの活動限界時間は……約45分! 確率は……48.56%」
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