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-それでは谷総理の見解は、最強は如月あやめと言う事でしょうか?
「……いや、あくまで限定的ではあるが、如月君を倒す事が出来る子がいる」
-それは一体ッ!?
谷総理が口にした第三の人物にインタビュアーは身を乗り出す。
「山岡竜也君……如月君の彼氏だよ」
※※※
上空数百メートルのヘリコプターから、竜也はパラシュートも無しで飛び降りた。
吹き付ける風を全身に受け、身体の角度を微妙に調整して着地位置をコントロールする。
そしてあやめや雅人の近くに足から着地する。
膝で着地の衝撃を逃がしたのか、それ程大きな音はしなかった。
「遅いのー、竜也」
力尽きた様に地面に座り込む桔梗が呟く。
「ったく、男前な登場の仕方だな」
憎まれ口を叩きながらも、心から安堵した様子の雅人。
そんな二人を一瞥した後、竜也はあやめを見つめた。
「あやめさん……」
ゴーストタウンの様に変貌してしまった街の中、竜也はあやめに近付く。
「あー、竜也くんだぁ」
竜也と目が合ったあやめが無垢な子供の様に微笑む。
そのまま、雅人と決闘中という事を忘れた様に竜也に近付こうとした。だが、左手を雅人に掴まれていたので思う様に竜也に近付く事が出来なかった。
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