第四話 日野神成のここ十年の行動記録(一部抜粋)

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日野(旧姓神山)神成。 身長……198センチ。 体重……120キロ。 特徴……黒目黒髪。短髪。極めて筋肉質。目付き鋭い。全身に夥しい傷。 特記事項。アンタッチャブル(触れてはいけない)。 ※※※ 20○×年 3月 17日。 日本最大の暴走族グループ『紅蓮怒羅厳(※ぐれんどらごん)』が一夜にして壊滅。日野(当時はまだ神山)神成に寄るものと後ほど判明。 ※※※ 「ヨイショー」 神成はそんな呑気な掛け声を出しながら、片手で改造バイクを持ち上げる。 中型とはいえ、100キロ近いバイクを片手で持ち上げる神成に周りを囲んでいた暴走族達はざわつく。 「さて、と……」 そんな事を一切気にせず、神成は持ち上げたバイクを軽く振り回した。 「ブベッ!」 「タバッ!?」 「ハヌッ!!」 その一振りで、神成の近くにいた暴走族三人が吹き飛ばされる。 強化プラスチックや鉄の部分ではなく、タイヤ部分で横っ面を殴り飛ばしたのは神成なりの優しさだろう。 だが、走行するバイクに撥ねられた以上に吹き飛ばされ、ビクンッビクンッと地面で痙攣を繰り返す暴走族達に神成の優しさは通じただろうか。 「テ…テメーッ! いきなり何……あべしッ!」 「オ…オイッ! そのバイクを降……たわッ!」 「ちょ……! 人の話を……ひでぶッ!」 何を言われ様が、神成は一瞬も休まずバイクを振り回し続ける。
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