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「あやめぇ、あんたそりゃ嫌味でしかないよ」
「あはは……」
ジト目で睨んでくるさくらと由美に、あやめは愛想笑いを返す。
「私も高校の時に一時期後輩と付き合ってたんだけど、毎日毎日要求されて大変だったよ」
思い出したくもない様子で由美がため息をつく。
「大変って、何が?」
「そりゃセックスの事でしょ」
あやめの質問に、由美ではなくさくらが答える。
「………………ッ!?」
最初、何を言っているか理解出来なかったあやめだったが、その単語を頭で処理した瞬間、まるで赤いペンキを被った様に顔を真っ赤にした。
「ホント、高校男子の性欲って底無しだよね。愛と性欲はき違えてるし」
「あーあー、分かる分かる。「愛してる」とかすぐ言うけど、セックスしたいだけだろーがって感じだよね」
オーバーヒートを起こしているあやめを放っておいて、さくらと由美は二人で盛り上がる。
「わたしは最高で一晩に七回要求されてね、メンド臭くなってソッコーで別れたよ」
「うっそッ!? 七回? 私なら三回目で張り倒してるよ」
男がいない事であけっぴろげに盛り上がっていた。
……当のあやめを除いて……。
「そ…そ…そういう……モノなの?」
恐る恐る、地雷が多数埋まっている場所を慎重に進むみたいに、あやめは二人の会話に入ってきた。
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