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「去年、一昨年と負け続けてるからな、今年は勝たないと! 負けると冬休みの合宿が地獄になるんだよ!」
吉田くんが涙目になって訴えてくる。
「そんな大事な試合、僕がキーパーで大丈夫なの?」
渡されたキーパーグローブをはめながら、肩のストレッチをする。
「大丈夫だって! お前の反射神経と身のこなしがあれば日本はW杯で優勝出来るッ!!」
「あんまり過大評価されると困るんだけどなぁ」
力説する吉田くんに苦笑いをしながら、試合開始までアップを続けた。
※※※
「それじゃあ、カンパーイ!」
さくらが乾杯の音頭を取り、お昼過ぎからT大生との合コンが始まった。
合コンとしては異例とも言える時間からのスタートだったけど、あまり遅い時間からでは困ると言うあやめの要望に応えた形でこの時間からの開始となった。
簡単な自己紹介から始まった合コンだったけど、早くもあやめはこの合コンに参加した事を後悔し始めていた。
「別に勉強しなくてもT大に入れた」
「趣味はスノボとスキューバ(ダイビング)」
「高校時代にはボクシングのインターハイで優勝した」
等々、自慢話しかしてこない。
最初は相槌を打っていたあやめだったが、「ボクシングのインターハイで優勝」の辺りから、目の前の三人が嘘しか言っていない事に気付き始めた。
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