第一話 幼き頃の道標

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※※※ お姉さんと二人で帰る途中、今までの悩みを思い切って打ち明けてみた。 「戦う相手がいない、か……。確かに大和館長にも勝ったあやめちゃんには切実な問題だよね」 「切実?」 「あ、ごめん。困った問題だよね」 お姉さんは真剣に考えてくれている。 「お姉さんは……」 「ん?」 「お姉さんは何で武道をやっているんですか?」 そこにお姉さんの強さの秘密がある気がする。 「あたし? あたしは……」 ちょっと困ったみたいな顔で笑いながら、お姉さんは頬っぺたを掻いた。 「あたしは、幼なじみが凄く……多分世界で一番ついてないから、一緒にいてあげるにはあたしも強くないといけないんだ」 そう言ったお姉さんの顔は、リンゴみたいに真っ赤になっていた。 その顔を見たらピンときた。 「お姉さん、その人の事好きなんだ」 「えッ!? ち…違うよ! ただの幼なじみで……!」 慌てるお姉さんの顔がますます赤くなる。 「好きな人の為か……」 まだわたしには好きな人がいないから、お姉さんの気持ちはよく分からない。 でも、 「……お姉さん、わたし決めた!」 「ど…どうしたの?」 驚いた顔でお姉さんがわたしを見た。 「わたしもお姉さんみたいに武道を頑張る! それで、それでもわたしより強い男の子がいたら、その子と結婚するんだ!!」
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