第三話 キスミーテンダー

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※※※ 合コン会場である居酒屋の男子トイレで、あやめ達の合コン相手である男三人が話をしていた。 「今日の雌共、マジレベルたけーな」 一人の男が洗面所の鏡で髪を整えながら話を振る。 「お前どいつイク?」 「俺はあの如月って雌にするわ」 禁煙のトイレで煙草を咥えながら、小便をしている男が言った。ボクシングで優勝とうそぶいた男だった。 「マジ? あいつ全然酒飲んでねーぜ」 「いつも通り無理矢理飲ませりゃいーじゃん。酔わせなきゃホテル連れ込めねーだろ」 「ま、たまには強引にってのも悪くねぇけどな」 「へへへ」と笑いながら髪を整え終える。 あやめにいわゆる『油断』は無い。いつでもどこでも誰とでも、最善のコンディションで戦える様にも気を張り詰めている。その意識があやめを見る者……一定の強さを持つ者に取って、『強さ』として写る。 つまり、あやめの強さを感じ取れない時点で、この男達の程度は知れた。 あやめに酒を飲ます脅威と、あやめを怒らせる恐怖を知らぬまま、男達の下卑た作戦会議は続けられた。 ※※※ 竜也の活躍により、サッカー部は三対0で勝利する事が出来た。無得点に抑えた事は勿論、鉄壁のゴールを信頼してオフェンスに力を入れた結果だった。 借りたキーパーグローブを外しながら、竜也はフッと振り返った。 「何だろう……何だか嫌な予感がする」 丁度その頃、最悪の事態が進行している事を竜也は本能的に感じ取っていたのかも知れない。
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