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「…………あなたに…………」
「あ?」
ポツリと呟いたあやめに、男が怪訝そうに眉を歪めた。
あやめの手に握られていたグラスがカタカタと鳴り出す。
「あなたに…………竜也くんの何が分かるっていうのッ!?」
あやめが叫んだ瞬間、グラスが壊れた。
割れるとか砕けるとか、そんな生易しい壊れではない。ひとつひとつが砂粒の大きさに分解されたのだった。
※※※
都内のアニメショップにいた雅人と桔梗が同時に何かに気付き、互いに顔を見合わせた。
「桔梗」
「ええ。とんでもない事になったわね」
いつの間にか、桔梗の姿が美少女になっていた。
※※※
瑠璃や千鶴が食べた食器を洗っていた咲がその手を止めた。
丁度その時、瑠璃がリビングに顔を出す。
「咲ちゃ~ん。今のもしかしてぇ」
「………」
咲は何も言わず、洗っていた皿を食器受けの中に置いた。
※※※
とある事務所で書類整理をしていた一人の女性が立ち上がった。
「あやめちゃん!?」
※※※
帰る準備をしていたサッカー部のメンバーの中、竜也だけが気付いた。
「……あやめさん!」
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