第三話 キスミーテンダー

38/98
4852人が本棚に入れています
本棚に追加
/178ページ
※※※ 「狙撃部隊、全滅ッ!!」 部分からの報告に、夏目は奥歯を噛み締める。 そして、夏目はある決断を下す。 「……実弾と爆薬の使用を許可する」 「「ッ!?」」 夏目の命令に部下達の顔色が変わる。 「しかし……」 「構わん!」 部下の戸惑いを夏目は一蹴する。 「その程度で止められる存在じゃない! ゴジラとの違いは大きさだけだと思え!」 「わ…分かりましたッ!!」 夏目の迫力に、部下は慌てて各省庁に通達を始めた。 作戦本部がピリついた空気に包まれる中、一人の男性職員が空気を変える為にあえて軽い口調で夏目に話し掛けた。 「あ…あと、いくらなんでも口から火は吐かないですよね」 「ハハ……」と乾いた笑いが作戦本部に流れる中、夏目は深くため息をついた。 「……だといいがな」 夏目に一言に、弛緩し掛けた作戦本部の空気が再び張り詰めた。 ※※※ あやめが暴走した居酒屋から半径十キロ圏内の避難が完了し、ゴーストタウンと化した街をあやめが一人闊歩していた。 「竜也くーんッ! 竜也くーんッ!! 何処にいるのーッ!?」 キョロキョロと辺りを見回しながら、あやめは道路の中央を歩く。 その時、上空に自衛隊のヘリコプターが数機到着した。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!