115人が本棚に入れています
本棚に追加
『奥様…どうかしました…?』
心配そうな顔をして悠子が尋ねる。
『なっ…何でもないのよっ、ただの嫌がらせだから。うちはこの通り資産家で通ってるから、ヤッカミの手紙を送って来る人間がいるのよね。こんな事しょっちゅうあるから、佐野さんも心配しなくていいわよ』
『じゃあ警察にでも相談なさった方が…』
『そんな事してたらキリがないわ。気にせずにほっとくのが一番なのよ』
『そうですか…まぁ奥様がそうおっしゃるんなら…』
早苗の言葉に、悠子は納得がいかないような…そんな表情を浮かべる。
『さて…じゃあ会社の方に顔出して来るから、あとはよろしくね』
『はい、分かりました…』
そう言い残して早苗は自宅を出た。
最初のコメントを投稿しよう!