ある春の日に…

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それから秀俊の事について色々聞かれた後、早苗は自宅に戻った。 早苗夫婦は輸入雑貨の会社を経営していて、この辺りではちょっとした資産家として知られていた。 秀俊が社長で、早苗が副社長である。 2人は結婚して14年経つのだが、子供はいない。 普段はお手伝いさんがいるのだが、母親の容体が悪いとの事で10日間ほど休暇をもらって数日前から実家に帰っている。 そんな訳でお手伝いさんもいないので、慣れない家事をしていた早苗の元にあの電話がかかって来たというわけだ。 それから数日後、水死体で上がった2人は不倫の末に心中したと結論付けられたのである。
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