第一曲。『TAXI』

5/10
前へ
/43ページ
次へ
均等に並ぶカウンターの椅子が 俺と彼女の間だけ 物凄く離れている様に感じた。 『…泣かないで?』 それ以上は言えない。   言っては…いけない。 ―あいつよりも、俺が幸せにするから こんなにも想っているのに。 なんで… どうして… 君はジェジュンの女なんだ? 他の男だったら。 すぐにでも君を奪っていたのに…― 何分沈黙が続いただろう。 おもむろに彼女が 口を開いた。 「私……不安なの。ジェジュンに本当に愛してもらえてるのかって……。仕事上、会えないのは……解りきった事だけど……やっぱり……寂しいの…。」 『そうだったんだ…でも、ジェジュンは君の事をいつも嬉しそうに話すよ?好きっていう気持ちが凄く伝わって来る。だから心配しないで?』 ――俺だって…好きなんだよ? 胸が苦しくなるくらい 愛しいんだ… 『大丈夫。ジェジュンは君を愛しているよ。』 ―…俺は…君を愛しているよ―
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加