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ルイナは目を瞑る。シンに集中しているようだ。
「…………ふ~ん、確かにこっちの人間にしては結構すごいわね。ハーフ?」
「いやハーフじゃない。話してくれないんだ。
まぁ誰にでも話したくない過去はあるから。」
そういうとトレインは急に暗い顔つきになった。
「あなたもその類だったわね……
じゃぁえっと、シン君?はこっちに帰ってくるときに連れて来て。話はそれからね。
じゃぁまた終業式に迎えにくるから。」
トレインがそのことに頷くと、ルイナは消えていった。
そしてシンのもとへと戻る。顔を俯かせ憎しみと哀愁の漂った表情を隠すために……
「どうだったでござるか?」
「なんか、アルテスに戻って一流学校行くことになった。」
シンのもとにつくころにはその顔も元に戻っていた。
「それで、シンも一緒に行かないか!?」
「せっ、拙者が!?………」
シンは驚いた顔をしたが、すぐに悩んだ表情へ変わっていった。
「別に嫌とは言わぬが、そんな一流学校に拙者みたいなのが行ってもよいのでござるか?」
「来てくれるの!?やった!!
終業式終わったら迎えに来るらしいからそれまで荷物まとめとけよ。」
「トレイン殿、会話が成り立ってないでござるよ。というか話しきいてないでござるな。
まぁあの喜び方からして、よいと受け取っていいでござるな。」
シンは少々強引に納得しながらアルテスに行くことにした。
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