187人が本棚に入れています
本棚に追加
『ただいま。』
予備校から疲れた顔で帰って来たアキラ。
リビングを見てみると、和気あいあいとタクマ達が夕飯を食べている。
呆然とそれを見ていると、タクマが誰よりも先にアキラに気づいた。
『アキラ君おかえり!!グラタン作ったから食べて!!』
『グラタン…。』
母さんの得意料理だ…。
『…おいで。一緒に食べよう…。』
ドアに突っ伏したまま動かないアキラを、ハルタは優しく呼ぶ。
『…僕はいらない。』
そう呟くと、アキラは淋しげに自室へ戻った。
その姿をポカンと見つめるタクマ。
『…ぬぁあぁくそぅ!!!アキラ君の好物であるグラタンを機に仲良くなろうと思ってたのに!!!ねぇどうすればいいかなナッチャン!!』
『てめぇナッチャンだけはやめろ。💢…まぁグラタンは流石に食べると思ったけどな。』
カチャカチャとフォークを動かしながら話すナツヒコ。
『…しかしよくアキラの好物知ってたね…。いつの間に調べたの…。』
ハルタは不思議そうにタクマを見つめた。
『まぁ裏で色々と~♪』
ちょっと褒められてご機嫌なタクマ。
『つーかタクマさー!!夜またアキラ兄ちゃんの部屋にもってけばいーじゃんそのグラタン!!』
『おぉお!!それだよフユミ!!お前やっと役に立ったなー!!』
『てめーなめんなよタクマ!!💢』
フユミのアドバイスを元に、タクマは急遽アキラのグラタンをラップにかけた。
最初のコメントを投稿しよう!