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ぷぅっと頬を膨らましたかと思えば、早口で彼にまくしたてる。
喋る度に彼の喉元にあてがわれたナイフが微妙に当たっているのはわかっているのだろうか?
「…はいはい。
アップルパイね、買うから。
お前の頭には食欲に勝つものはないんかい。」
あてがわれたナイフを左手で摘まむようにヒョイと持ち上げてやや憂鬱そうに彼女へ向けて呟く。
首を右手で軽く触れると想像通りナイフによりちょっと斬れていたようだ。
「うっわぁ~…ごめぇ~ん、わざとだから」
ニヤニヤしながら言う彼女はナイフを手際よく腰のケースに入れ込む。
「てめ…貴族の娘じゃなかったら本気でどつき倒してるんだからな…」
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