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放課後…
真由子は一人教室にいた。
雨が降り始めていたから、足早に仲間内は帰って行った。
真由子は溜め息まじりに求人誌をパラパラとめくる。
「(どうしたもんかなぁ…)」
すると急にドアが開き、真由子の友人の保志野がちょこちょことやって来た。
「保志野、まだ残ってたの?」
『うん、今日は雨だから迎え来てくれるんだ!真由子、Wワークするの…?』
保志野は真由子が見ていた求人誌に気が付いて、心配そうにそう言ってきた。
「うん、進学金足りなくて…親にも頼めないし。」
『大変だね…私も入学金は自分で出せって言われてるから…Wワークしようかなぁー…』
「出来れば私は3つでも4つでも、働きたいくらいだけどねー…私がいっぱい居れば良いのにぃ…」
真由子が切実にそう呟いた。
真由子の発言に保志野が明るい表情をして笑う。
『アハハ、それ良いね!たまに思うよね』
自分がもう一人居たらって。
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