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いや、そんなんじゃない!と、否定しようと口を開くと同時に、将吾の携帯電話が震えた。
着信相手の名前を見て一瞬面倒くさそうに眉をひそめた。
緩慢な動作で電話にでた将吾だったけど、だんだんその眉間に皺がよってくる。
なんかあったのかな?
「クラスの奴ら喧嘩して負けたらしい」
携帯電話をしまった将吾が、炒飯の残りを口にかっこみ、出かける準備をはじめた。
「ドコと?」
同じく皿を台所に持って行き、財布と携帯電話をポケットに突っ込む。
「同じ学校の奴で、一人だ」
「!?こっちは何人でだよ」
「五人だとよ」
「そんな奴いたっけ?」
「いるからやられたんだろ」
サングラスをかけた将吾が楽しそうに笑う。
強い奴ってだけで嬉しそうだ。
「帰ったらタツに前立腺マッサージしてやろうか?」
「いっ!やだよ!しねーよ!馬鹿!」
「興味ある癖に」
そう言って将吾がオレのケツをぐわっと掴んだ。
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