オレとアイツの話②

5/5
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
いや、そんなんじゃない!と、否定しようと口を開くと同時に、将吾の携帯電話が震えた。 着信相手の名前を見て一瞬面倒くさそうに眉をひそめた。 緩慢な動作で電話にでた将吾だったけど、だんだんその眉間に皺がよってくる。 なんかあったのかな? 「クラスの奴ら喧嘩して負けたらしい」 携帯電話をしまった将吾が、炒飯の残りを口にかっこみ、出かける準備をはじめた。 「ドコと?」 同じく皿を台所に持って行き、財布と携帯電話をポケットに突っ込む。 「同じ学校の奴で、一人だ」 「!?こっちは何人でだよ」 「五人だとよ」 「そんな奴いたっけ?」 「いるからやられたんだろ」 サングラスをかけた将吾が楽しそうに笑う。 強い奴ってだけで嬉しそうだ。 「帰ったらタツに前立腺マッサージしてやろうか?」 「いっ!やだよ!しねーよ!馬鹿!」 「興味ある癖に」 そう言って将吾がオレのケツをぐわっと掴んだ。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!