オルカとマオナガ

2/4
前へ
/21ページ
次へ
 心地よい歌声で目が覚める。  もともと人間に比べて音楽が好きな人魚の中でも、ニタリの音楽好きは異常なレベルだ。放っておけば、一日中でも歌っているんじゃないか?   そんなニタリが愛用している楽器は、ニタリのばあちゃんが使っていたというかなり古いもので、日本にはないハープという楽器だ。  「ポロン…ポロン…♪」  うん、やっぱりニタリの音楽はきれいだ…もうひと眠りしたくなってくるぜ…。  「ポロン…ブチィッ!」  ん? なんだ? 変な途切れ方したな…。  「きゃあーーっ!!」  と、同時にニタリの悲鳴が!  「ニタリ! どうした!?」  「うっ、ううっ…壊れちゃった~~」  泣きながらたたずむニタリの手には、弦の切れたハープがあった。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加