夢見た時間

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楽しい時間というのは本当に速いものだ。 今日一日、貴子と一緒に学校生活を送ったことは本当に楽しい時間だった。 一緒に授業受けて 一緒に昼飯を食べて 一緒にまた授業を受ける。 授業中にちょっとしたお喋りや、学校でしか感じられない授業の雰囲気。 学生なら当たり前なんだろうけど、俺には本当に幸せな時間だった。 大好きな人と学生生活を送る。 俺には一生ないことだと思っていた。 だから、今日は本当にいい一日だった。 「貴子、今日はありがとうな」 大学の正門前に俺たちは立っている。 貴子はバス通学だが、今日は下宿している藤倉さんの家に行くらしく正門でお別れらしい。 「ううん、私も楽しかった。それにその・・・久し振りに会えて嬉しかった」 微笑む貴子をそっと抱き寄せた。 「りゅ、竜一くん?」 「ん、充電中」 頻繁に会えないんだから、これくらいは許されるよな。 他の学生の目はまったく気にならなかった。 この空間には、俺たちしかいない。 そんな気になるくらい、俺は貴子しか見てなかったからだ。 そして、ゆっくり貴子から離れる。 「時間が合えばまた来たらいいよ!」 「あぁ、そうさせてもらうよ。おっとバス来たな」 大学前に停まるバスが目に入った。 「だね。それじゃまた」 「あぁ、またな」 俺は名残惜しくも貴子と別れてバスへと駆け寄った。
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