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竜一side
2月が過ぎ、今は3月。
肌寒い季節が通り過ぎて、風は少しだけ暖かくなってきた。
貴子は大学が春休みに入った。
そのおかげで、俺たちは会える日を見つけては会っていた。
何回も会って、何回も遊びに行った。
お金も使わず、ただ公園で喋ってるだけの日もあった。
ずっとバカにしていた時間だけど、今の俺にとっては一番幸せの時間となっていた。
今日はお互い予定があったため、休みながらも俺と貴子は会っていなかった。
俺はいつも集まる居酒屋、『伝心』に拓海と来ていた。
時間が夕食時ということもあり、店は客で溢れていた。
俺と拓海はテーブル席に腰掛け、頼んだ釜飯を口にしていた。
「拓海も今春休みなんか?」
「んぁ?あぁそうだけど?」
釜飯を口に含みながら頷く拓海。
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