崩壊の序曲

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やっぱりあいつは貴子を狙ってんのか? まさか今日の約束ってのも葉山と会うことじゃ!? くそっ、今すぐ行って止めなければ!! 俺が席を立とうとした時。 ベシッ 「あだっ」 拓海に頭を叩かれた。 その勢いで、俺は再び席に座り込んだ。 拓海は頬杖をついて呆れたように俺を見ている。 「アホ。どうせ、今頃その男と会ってるんじゃ、とか思ってたんだろ」 「な、何で分かるんだ!?お前はエスパーか!?」 「お前の考えは短絡的な上に安直なんだよ」 「でももし今貴子が葉山と会ってたら危ないじゃねぇかっ」 「あのなぁ。貴子さんはお前の彼女なんだろ?」 「そ、そうだけど…」 「だったら信じろよ。助け合うのも恋人同士だけど、信じ合うのも恋人同士だぞ」 信じ合う…。 俺は貴子を信じてなかったってことか? 拓海の言う通り、信じるしかない…。 貴子の生活を制限することはしたくない。 それには信じる他ないか…。 「分かったよ。すまんな、取り乱した」 「ま、気持ちは分かるさ。」
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