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「貴子、話があるんだ」
俺の言葉に貴子は一瞬俺を見上げて、すぐに俯いた。
お世辞にも貴子の表情はいいものではなかった。
こんな顔をさせている自分に腹が立つ。
「うん・・・」
俯いたまま小さく呟く貴子。
そんな貴子に、俺は静かに言った。
「俺たちの関係、元に戻そう」
俺の言葉に貴子は小さく首を横に振った。
そして俺の服を握る。
「私、本当に竜一くんが好きなの・・・」
「・・・」
嬉しいはずの言葉なのに・・・。
何で何も返せないんだ・・・。
理由は分かってる。
葉山の言葉が頭に残っているんだ。
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