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伝心に入ると、畳の個室に拓海と椋が座っていた。
「竜一遅いぞぉ」
「悪い悪い」
俺は椋に軽く笑って言った。
「まぁ座れって」
「あぁ」
俺は拓海に言われて、腰掛けた。
貴子と別れたその日。
俺はありのままを拓海と椋に告げた。
二人とも俺を本気で怒ってくれた。
その気持ちは本当に嬉しかった。
でも、もうどうしようもなかった。
本当に『もういいや』そう思ってしまったのだから。
拓海も椋も納得はしてくれなかったが、事実を受け止めてくれた。
こうして本気で怒ってくれる親友ってのは本当に大切なものだよな。
今こいつらまで失ったら、俺は自殺できる自信だってある。
そう思えるほどに拓海たちは大切な存在なんだ。
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